ジャングルを彷彿とさせる巨大種デリシオーサを手に入れたい場合
※ここで言うデリシオーサは、ラージフォームの巨大種のことです。

デリシオーサは見つけにくい
「大きな葉のモンステラが欲しい!」「ジャングルのようなデリシオーサが欲しい!」「穴がたくさんあるモンステラが欲しい!」
こう思われる方は多いと思いますが、実はなかなか見つかりません。ネット検索をかけても、販売店に問い合わせをしても、「デリシオーサかどうかは分かりません」と言われることが多いんです。
園芸ショップの方もモンステラ専門なわけではありませんから、大きさや穴の多さを伝えても、「育てていただかないと分かりません」と言われることがほとんど。生産者に問い合わせて下さった店員さんもいましたが、「栽培された方も種類は分からないそうです」という驚きの!お返事。そんなこともあるんですね。
有名な観葉植物のネット販売店が、8号鉢のぐっと幹上がりした大きめのモンステラを販売していて(大きな葉が2~3枚)、わざわざ生産者さんに確認して下さったのですが、デリシオーサより小ぶりの「モンステラ・アダンソニー」だという返答だったそうです。葉も迫力があり、穴もしっかりあいているので、素人目にはデリシオーサでしたが、そうではなかったんですよね。この状態での見分けは本当に難しいようです。
私の知るかぎり、販売店での商品タグは「モンステラ」として売られていることが多いです。「モンステラ・デリシオーサ」のタグがついているものに、あまりお目にかかれません。→だったのですが、実は、最近「デリシオーサ」のタグに、サイズを問わずよく遭遇します。何なのでしょう?見た感じは、巨大になりそうな気がしないのですが。種から育てた実生(みしょう)株でしょうか。謎の解明は、次の項目を読んで下さいね。
ラージもスモールも、どちらも「デリシオーサ種」とするタグが増えてきた!
一般市民の私は、この数年モンステラの種類分けに散々!悩まされましたが、最近やっと謎が解けてきたように思います。
海外での区分けだと思いますが、デリシオーサを「ラージフォーム」「スモールフォーム」とする分け方です。その場合、いわゆる穴の空いた切れ込みのある葉のモンステラは、ひっくるめてデリシオーサ種になります。葉が80センチ前後の巨大種もあれば、50センチ前後のものもあり、大きさは様々ということです。
この区分けですと、正々堂々と巨大にならない!デリシオーサもあるわけですから、商品タグでは見分けができないわけです。悲鳴~!
デリシオーサを手に入れる方法は2つ
※判りにくくなっておりますが、ここでは巨大なモンステラをデリシオーサとします。
1:「既に巨大に成長した株」を手に入れる
2:「自分で育てて巨大化」させる
1は、扱っている販売店がなかなか見つからない事と、高額なのが難点です。しかし、確実に大きくなっていき、見事なジャングルモンステラになります。
2は、成長途中の5~7号鉢ほどのデリシオーサを購入して、5~7年ほどで(もっとかかるかも?)巨大化させよう!という方法。(種から育てるのは、かなり時間がかかります)
幼株はデリシオーサになるかどうか?の疑惑がつきまとう
【2を選択した場合】
将来巨大になるであろう姿を期待して「モンステラ・デリシオーサ」の成長途中の株を購入すると、どうも切り込みが少ないままだったり、穴もさほど空かなかったりして、「本当にデリシオーサなのか?」という疑いを抱くことになります。(デリシオーサあるある)
これは、デリシオーサのラージフォームか、スモールフォームかを、判別できていない、という状態です。
「ラージかスモールか、自分で見分けるにはどうしたらいいのだろう?」と、自ら情報収集することになるわけですが、「どの鉢を選んだら巨大なデリシオーサになるのか」が、ひじょうに分かりづらいという、意外な?現実に遭遇します。(デリシオーサあるある)
もはや素人には見分けは無理なのか?と思いたくなります。
そういう点を踏まえて、2を選択する場合は、「◎親株が巨大なデリシオーサ(ラージフォーム)であるという保証つきの株」を手に入れるのは必須だと思います。
実生株(種から発芽させた株)から大きく育てるまでには、かなりの歳月がかかりますので、巨大なデリシオーサのトップカットで発根させた株や、茎から発根させた株を手に入れるのが良い方法だと思います。必ず巨大になるでしょう。
成長しているデリシオーサを手に入れるのがおすすめ
※ここではラージフォームの巨大なものを「デリシオーサ」と呼びます。
デリシオーサは見惚れるほどに巨大です。ゴジラのように大きいです。背丈ほどある大きめのアダンソニーも十分大きいので、この種をデリシオーサと勘違いしている方もいると思うのですが、そういうレベルではありません。びっくりするほど大きいです。
こんなにも魅力的なデリシオーサを本気で手に入れたければ、手間と時間をお金で買うことにして、すでにデリシオーサだと判別している成長した株を買うことを、私は強く!おすすめします。
お世話の手間を一気に省き、今この瞬間から!デリシオーサと一緒の時間を味わえる素晴らしい幸福をお金に換算したと思えば、金額は高くても納得できるかもしれません。

見つかるショップと見つからない理由
デリシオーサを扱っているショップは、生産者との流通を確保できる(信頼関係のある)専門店かもしれません。それ以前に、葉を広げた巨大なデリシオーサを置けるスペースがないと仕入れできませんから、売り場に余裕のあるショップに限られるかもしれませんね。
商業スペースやビルのエントランスにあるような、ぐんと幹上がりした巨大なデリシオーサは、おそらく3万~5万の高価格帯になると思います。それでも買いたいというお客様を見込めるショップになるでしょう。
大型ホームセンターの観葉植物部門のベテランの店員さんは、巨大デリシオーサが店頭に出回らない理由を「生産者さんが減ってしまったから」と言っていました。巨大デリシオーサだけでなく、他の観葉植物も同じだそうです。「大きくなるまで育てるのにかなりの時間と手間がかかるから(ご苦労が多く)、次の代へ引き渡せずにやめてしまったところが多い。昔は店頭に素晴らしい鉢がよく並んでいたけれど今は本当に少なくなってしまった」と寂しく語っていました。
コロナの影響で観葉ブームが起こり、ずらっと店頭に並んで品数が多いように見えていますが、昔の方がずっと種類も多く、見事な鉢が並んでいたそうです。
流通を確保できる大型専門店が強いともおっしゃっていました。ホームセンターはもちろん流通に強いのですが、マニア向けの特殊な植物は、生産者とパイプのあるショップへ直で流れてしまうので市場に出てこないとのこと。
なるほど、そのような事情をうかがうと、「あるところにはある、ないところにはない」ということなんですね。消費者としては「”あるショップ”で探そう!」が手に入れる近道のようです。
愛知県豊橋市のガーデンガーデン

私が聖地と仰いでいる、愛知県豊橋市のガーデンガーデン。質の良い観葉植物が販売されています。一般的な大型のモンステラはいつでも店頭に並んでいますし、コロナ明けの今でしたら、背の高い、商業施設に置かれているようなデリシオーサも常時販売されていると思います。

この画像の左サイドの真ん中あたりに、見えづらいですが、巨大なデリシオーサがぐわっと葉を広げているのがわかるでしょうか?デリシオーサはお値段がお高いので簡単には購入できませんが、場のアイコンになるような見事な株ですよ。

別日に見つけたデリシオーサ。貫禄の巨体!
手前の葉は「当たり傷」で茶色くなっていますが、おそらく3年ほど前の葉だと思います。脱線しますが、デリシオーサの葉は年単位でキレイなままです。美しいまま、しっかり茎にひっついて、恐ろしく持続します。なんでこんなに持つのか?謎です。

タグに「モンステラ超特大」と書いてありますね。消費税入れるとかなりの高価格ですが、ここまで大きくするには相当な歳月がかかりますから、そんなに待つなら「今!」という方もいらっしゃると思います。
節ごとにカットして植え替えていけばデリシオーサを増やせますから、栽培の楽しみも味わえます。

ガーデンガーデンは、「あ、いいな」と思った鉢は、次の時には姿を消しています。「マニアックだから買い手はいないだろうな。次残ってたらチェックしよう!」と思うようなものでも、売れてしまいます。週三回仕入れをしていると定員さんがおっしゃっていましたから(季節によるようです)、植物の回転が早いのだと思います。つまり新鮮で弱っていない鉢が多いということだと思いますから、そういう視点でご近所の販売店をまわってみるといいと思います。
MY STORY♪私は一体どこで巨大デリシオーサを見つけたのか物語

私の場合は、ネットや売り場をチェックしつくしました。
その過程で「見た目、巨大デリシオーサだと思って問い合わせたら、大きめのモンステラ(アダンソニー)だった事件」が何度かあったのと、「昔はあったけど、今は(市場に)巨大デリシオーサがなかなか出回らないんですよ」という対応によく遭遇しました。
最後の手段で、ネット検索をかけて、「(巨大)デリシオーサ」のブログ記事や、販売履歴のあるショップ、大型の観葉植物を専門的に扱っているショップを、地域を問わず電話しました。送ってもらうか、無理なら高速で取りに行く!という覚悟です。ここまでくると、もう根性。刑事の聞き込みレベルでしょうか。へとへとになりました。
そして、ついにその時が来たわけです。
意外なことに車でいける距離のショップでした。それもスーパーマーケットの入り口にある花屋さん。関東、関西、散々遠くのショップに問い合わせして半ばあきらめで県内をあたったら、ビンゴ!だったのです。まさに灯台下暗し。
とはいえ電話口では巨大デリシオーサの特徴を確認しづらく、更にはスーパーの入り口にあるお花屋さんというのですから、本当に巨大デリシオーサなのか分からずドキドキで車を走らせました。

やりとりはこんな感じでした。
「モンステラの巨大な種類でデリシオーサというのがあるんですが、そちらで販売されていますか?」
「大きなモンステラはあります。ですが、その種類かどうか分かりません。タグ見てきましょうか。~タグにはモンステラとしか書いてないので分からないですね。」
「巨大なんですよね?」
「かなり大きいです」
「ちなみに穴はたくさん空いてますか?」
「空いてます」
「どのくらい?」
「かなりたくさん空いてますよ」
「ぼこぼこ空いていて欲しいんですが」
「ぼこぼこ空いてます」
「葉の切込みは多いですか?」
「多いと思いますけれど」
「葉は何センチくらいでしょうか?」
「5~60センチ以上はあります。かなり大きいです。測ってきましょうか?」
(この時点で万歳三唱状態!)
「やっぱり60センチはあります。もう5年くらいお店にあるモンステラで、そのままお店の飾りにしているので古くて汚いですけれど。」
「どうしても欲しいのですが、売っていただけるのでしょうか?」
「はい。売り物です。古くて汚いですけど。」(あっさり)
「でもお店の飾りなんですよね?」
「そうなんですけど商品です。大きすぎて誰も売り物だと思わないみたいです」
「本当に販売していただけるんでしょうか?」(しつこい)
「はい。でも、かなり大きいので、車に積めないかもしれませんよ」
「いえ!ワンボックスなので椅子を倒せば大丈夫です!」(強気)
「どうかなあ。相当大きいんです。乗らない可能性もありますよ。」
(よほど大きい事がわかり、更に喜び爆発!)
「とにかく、今から伺います!」
「はい。お待ちしています。」
そして、実物とご対面となったのですが、まさに巨大デリシオーサ!圧巻の巨体!
伸びた茎は天井からの手グスで持ち上げられ、巨大な葉が、お店のシンボルとして見事に葉を広げていました。
スーパーの買い物を済ませてから、最後に入り口にある花屋に寄って帰るお客さんがほとんどだそうで、その時点で既に荷物がいっぱいなので、「こんな大きな鉢を誰も買おうと思わなかったのでは?」と店員さんが言っていました。
な、な、なんという盲点!
更には、その当時買い付け担当だった方が目利きで、珍しい素敵な大鉢を仕入れていたそうです。この巨大デリシオーサもその方の仕入れだったようです。店頭で管理されていましたので、おそらく14号鉢だと思いますが、キレイに大鉢に植え替えされていました。
もうラッキーとしかいいようがありません。
ついにゴール!
神様っているんだなと思いました。(どういうこっちゃですが、そのレベルの喜びです)

※画像はワンボックスの後部に積み込まれた(押し込まれた)巨大デリシオーサ
女性スタッフ3人+私の総勢4名で、やっと巨大デリシオーサを台から下ろし、お店から出して車に乗せるまでも相当!大変でした。葉が両サイドに広がっていて、茎が固くてしならないので、折れても構わないくらいの気持ちで、車に無理やり詰め込みました。
長くお店を飾ってくれていた巨大デリシオーサだったので、ショップの皆さんも寂しいお別れだったようです。その分、私がしっかり大切に育てます!とお約束しました。
車のバックミラーが、デリシオーサで埋もれて見えない。。帰路はヒヤヒヤしながらの運転でしたが、気分上々!デリシオーサ探しに疲れ果てていましたから、嬉しくてたまりませんでした。
さて、もちろんですが、出すのが大変なら、入れるのも大変。家に運び入れるのにも一苦労です。
まず、玄関から入らない!なんということでしょう!
一瞬お先真っ暗になりましたが、葉が折れてもいいと覚悟を決め、ガンガン強行突破しました。
廊下~階段の壁に飾っているものはバタバタと全て落とされ、一体何が通ったんだ?!恐竜でも通ったのか?!という有様に。でも仕方ない。突破するしかない!打ち身ではすまないくらい痛い思いを株にさせてしまいましたが、なんとか無事に部屋に入れることができました。
しかし、何がびっくりって、あれだけ壁にぶつけまくった!!!のに被害がほとんどなかったこと。茎も丈夫なままでしたし、葉もきれいなまま。モンステラ、お、お、おそるべし!
こうしてモンステラはミュージックルームのシンボルツリーとなりました。
長いお話で失礼いたしました。
◆元記事「初心者も室内で簡単!巨大モンステラ・デリシオーサの育て方」