二胡のデンペンに貼る保護テープ

二胡のお道具

デンペンとは

蛇皮を保護するために、べっ甲柄や白のプラスチックの小さな板がついていますよね。これをデンペンと呼びます。以前は白プラスチックがほとんどでしたが、今では安価な二胡でもべっ甲柄が主流のように思います。

お好みですが、私はこのデンペンにテープを貼っています。※現在は貼るのをやめました。

べっ甲柄のデンペン

デンペン保護シールの目的

・弓の摩擦によるデンペンの減りを防ぐ。(=その下の蛇皮を守るため)

・弓(竹)がデンペンにぶつかるカチカチ音を消音する。レコーディング時は特に。

・布との接触でボーイングをコントロールする。(楽に感じる方もいらっしゃるようです)

※ちなみに、上の画像は20年使用している二胡で、デンペンは一度も張り替えたことはありません。角は丸くなっていますが、私の主観ではボーイングでデンペンはそんなにすり減らないのでは?と思います。とはいえ材質は様々でしょうから、それぞれで気をつけて下さいね。

デンペンにシールを貼る理由

私の場合は上記の理由ではなく、デンペンの角で毛が擦れるかすかな音が、どうしても気になるのです。

合わせて、デンペンの角が面取りされていない場合、弓毛の痛みが気になるのでテープを貼ってそれらを緩和しています。

もちろん、デンペンの角を”面取りして丸みをもたせている”丁寧な仕上げの楽器もあります。下の画像は、大変丁寧に仕上げられている面取りされたデンペンです。まあるい光沢がやさしいです。

二胡のデンペンのアップ
面取りされているデンペン

youtubeで中国奏者の演奏をみますと、白い布テープを貼っている奏者が多くいらっしゃることに気づかれると思います。粘着力が強い医療用でよく見かける白テープですが、中国では貼るのが一般的なの?と驚きますね。多くの方が貼るのですから、それぞれに納得する理由があり、利点なのでしょうね。

布テープで絶対!注意すること

さて、この白い布テープ。

最初はもろもろ全てにおいて使用感がよく「やっぱり貼る方がいい」と思うものなのですが、ずぼらで交換を怠ると、そのうちに布の上部が擦れ、糊がにじみでてきて、弓毛につき始めます。あってはならない大惨事!です。ずぼらな方には決しておすすめしません。

大惨事はまだまだ拡大します。落ちた松やにと糊が合体して共鳴胴の上部がべたっと汚れ、これが本当に!落ちづらい。テープをはがした後のべたべたも、時間が経つと糊がゆるくなり、より一層!べたべたしてきて大変厄介になります。

さらに、ボーイングの摩擦で布が細かくよれて立ちあがり、毛とぶつかるため、それこそはっきりした異音の原因になります。ボーイングにつっかかりを感じはじめます。余計な接触により弓の毛も痛めます。
恐ろしいことこの上ありません。とにかく傷んできたら換えましょう。

※布テープの下に、ベタベタ防止でメンディングテープを貼る方も多いです。そうされることを強くおすすめしますが、布の上部がよれて立ち上がってくるのは避けられないので、そこは注意して下さい。

布テープで失敗した私は、良いものはないかと、二胡用のデンペン保護シールを買って試したり、マスキングテープを試したり、医療用の不織布テープなどを試しましたが、やはり上面が擦れてくるのと、その部分で異音がしてくるので、今はこれを試しています。

Kenzの医療用テープです。引き出しをあさって見つけたものなので、同じものが今も売られているかどうかは分かりませんが、包帯を留めるビニール製のテープです。よくありますよね。手で簡単にちぎれる仕様です。

二胡のデンペンに貼る保護テープ

ビニール素材なので上面がよれることはなく、さっと綺麗にはがせて糊が(さほど)つきません。これはなかなかいい!

それでも、使っていると小さ~な穴があいてきます。それがだんだん広がってきます。不思議ですが擦れている証拠なんでしょうね。わずかでもこれを見つけたら即交換です。ビニール面が立ち上がってきてきますし、糊もにじみ出てきます。

指導者で意見は異なります

私自身は、最近はデンペンにシールを貼るのをやめました。
良い面と、悪い面、両方あるので、純粋な発音のために本当に必要かどうか探っている状態です。テープの種類やデンペンの個体差もあるように思いますが、貼ることで”面倒が増える”ことは間違いありません。

それでも貼る「利点」を優先するかどうかですが、指導者で意見は異なると思います。ご自分の指導者が貼っていなければ、そういうことだと思います。

皆さまの二胡ライフがもっと楽しくなりますように♪


興味がある方はこちらも参考にされて下さいね。