「脱力しましょう」と、ただ指示されても、生徒としては困ると思います。
「その『脱力』ができないんですってば!」と叫びたくなりますよね。
楽器演奏における身体メソッドは具体的なものです。
今回はそのポイントについてお話いたします。
具体的、というのはどういことかといいますと、例えば「身体の力を抜いて~」というのは、(力を抜いた状態を)指示しているだけですよね。
そうではなく、具体的に、身体の「何を」「どうするか」の手順やコツが、メソッドです。
教室で指導していますので、ここでは私のメソッドは申しませんが、「脱力」は何においても身体パフォーマンスの根幹です。ですが、ただそのことを知っているだけで、中身がない状態では、自分の演奏は変わらないですから、実現していくために、身体の使い方を見直して、具体的に取り組んでくださいね。
同じようなことで、
やさしく、やわらかく、のびやかに、おおらかに、なめらかに、どっしり、軽く、のような表現的な言葉は、状態の指示であって、身体の使い方ではありません。
ポルタメントをしたいときに、「なめらかに指を動かしてください」と言われても、「だからそれができないんだってば」となりますよね。こういった形容動詞は、身体の使い方のようでいて、指南ではないんですね。
意識を身体のあるポイントにおくと、左手の昇降のコントロールがしやすくなります。それ以前に、身体と楽器の捉え方、重心、座り方、左手の構えも、ベース要素になります。詳細は記しませんけれど、「なめらかな」を表現にするために、身体をどう使うかです。ご自分の先生に指導していただいてくださいね。
学校の保健室にありましたよね、骨組みガイコツくん。
楽器レッスンでも、人体の骨組みを生徒に見せて、身体の仕組みから指導をされる方がいます。特に西洋ですが、ピアノはこういったメソッドが大分前から進んでいる気がしますね。西洋合理主義かなとも思いますが、分かりやすいですよね。動きを身体の仕組みに落とし込んで、根幹から理解していくのは、楽器奏法においては(そこそこ)普通のことだと思ってください。
あのガイコツくん、私も買おうかなあ、、と思った時はあるのですが、実際の身体で掴んでいただいた方がいい気もしますし、なんだか面倒で(こっちが本音)結局買っていないんですけどね。
こういった具体的な身体メソッドに
プラス、身体感覚のエッセンスを取り入れて、二胡を奏でるのが、私の指導法です。
「感覚」がどこからくるのか。
「感覚」ってなんなのさ。ですよね。
身体の使い方=身体感覚というわけではありません。
身体の世界は深いです。
例えば、心の底から本当に申し訳ないと思った時、頭でそれを考える前に、身体は腰から前方にクネッと折れ曲がって、あれよという間に頭が低くなって、一瞬でひれ伏してしまうものです。
経験ありませんか?
私はあります。
心と身体はひとつで動く。
もう少し分かりやすい例えですと、
どうして今日はこんなに軽く歩けるんだろう。身体がないみたい。重さを感じない。
そういうとき、ありませんか?
そういった類が、身体感覚で動くということです。
オリンピックのゴールドメダリストは身体感覚の天才です。彼らが日々のトレーニングで何をどうしているのかは私は知りません。
しかし、身体が、まるで自然そのもの、森羅万象そのもの、ということは分かります。変な意味ではなく、宇宙の物理法則の上に「素直」に在るのです。(スピリチュアルネタではありません)
身体感覚の話は、深すぎるのでこのくらいにしておきます。
まとめますと、、
ここでお伝えしたいのは、演奏における身体の使い方は「具体的に」ということです。
「深呼吸して、脱力して、心地よい感覚で、す~~っと弓を動かしてください~」という指示は、正しいですけれど、身体の使い方の指南ではありません。
二胡が上手くなりたい方は、ここに気づいてほしいんです。身体をどう使えばいいのかを、探ってほしいんです。先生が教えてくれなければ、積極的に自分で研究してください。
その先の扉を、身体の使い方で、開いていきましょう。
豊かで幸せな「音楽との一体感」が待っていると思います。
最後に、「木を見て森を見ず」。
私たちは生命活動しているわけですから、なによりも、第一に、そこに抗わない。演奏うんぬんの前に、生きることを、しているんです。脳も、細胞も、筋肉も。それが身体です。
ですから、生きるシステムのおおもとである「呼吸」が健やかであることが、もっとも重要です。
根源に還り、根源で動く。
大きなコツですね。
「だからその呼吸がうまくできないんだってば~」という叫びが聞こえてきそうですが。。。そういう方は、逆転させて、身体の方から呼吸を促してあげましょう。ここではどうやるという話もできませんが、座り方から見直す必要があると思います。
皆さんの二胡ライフがもっと楽しくなりますように♪
翠月淳
JUN MIZUKI
以下も参考にしてくださいね。
◇二胡の練習法~「失敗したら頭に戻る」をルーティン化しない
https://www.nikolife.website/fromthebeginning/
◇二胡が上手くなるための練習法~「足す」ではなく「引く」
https://www.nikolife.website/how-to-improve/
二胡の上達法~身体メソッドは具体的です
二胡コラム