二胡がなかなか上手くならない時のアドバイス①真似てみる

二胡コラム

「どうも上達している気がしない。」

「何度弾いても同じところが上手くいかない」

「いつまでたっても理想の音色に近づけない」

「飽きてしまった。。」

「楽しくない。。」

「ここまでか。。」

二胡を習って2,3年してくると、いろいろな意味で余裕ができて、楽器から出ている自分の音がちゃんと聞こえるようになってきます。
音がつかめるようになる、耳からの情報量が多くなる、という方が分かりやすいでしょうか。楽譜を凝視して連弓やポジション移動にアップアップしていた初級の時と違い、落ち着いて自分の演奏を聞き取れるようになってきます。

そうなった時、「私も美しい音で二胡を奏でたい」と、これまでとは違ったレベルで、「音楽」について考え始めるようになってきます。一歩進んだ音へのこだわりが自分に芽生えるのですね。
しかし、耳と手は事情が違うといいますか、「耳はいくらでも肥えていくのに、手は動いてくれない」という現実があったりします。

試しにスマホで録音してみたら、(自分では)散々で「音が外れすぎ」「なんだ、やっぱり全然上手くなってない!」とがっかりしたりしたりするかもしれません。You Tubeにアップされているレッスン動画で、もう一度!と思って、初級から見直してみるものの、あまり(いや、全然)変わった気がしない。。そういう事もあるかもしれません。


そんな時は、こうしてみてはどうでしょう。

まずは、気持ちと身体のリセット。

同じ場所で座ったままの状態を、一旦、外します。
「仕切り直す」という言葉がありますよね。身体作法です。その状態を解放して、身体を出直させるのです。
身体と気持ちは連動しますから、一緒に思考もクリアになるでしょう。

席を立って下さい。
場の空気を変えましょう。

その場で腕をぶるんぶるんと振るもよし、一旦部屋を出るもよし、窓を開けるもよし、お茶を飲んでもいいです。

戻ってきたら、全身脱力で、その場ぴょんぴょん。
軽く飛んでもよし、膝を屈伸して飛ぶような動きにしてもよし。腕は肩から落とすようにぶらんぶらん。首も脱力。ぴょんぴょんです。(こびりついた思考をぴょんぴょん下に捨て去るイメージ)

これで身体はリセットできるでしょう。
そして座ります。
ゆっくり深呼吸をしましょう。

眼差しをやわらかくして、少し「微笑んで」、大きく深呼吸してから、弾いてみて下さい。

それだけのことですが、同じ場所をぐるぐるしていた感じが消えてくるのではないでしょうか。どこか新鮮な感じがして、耳から入る音が、静かで、広く感じられてきたら良いなと思います。

その後です。
こちらが本題なのですが、「好みの奏者を真似てみる」という方法を試してみて下さい。
You Tubeなどの演奏姿が映っている「動画を見ながら」、真似して弾いて下さい。それだけです。

真面目になりすぎてはいけません。
遊びの感覚でいいですから、動画の奏者を真似しながら、同じフレーズを「一緒に」弾きましょう。そうして、姿勢、ボーイング、指、歌い方、目につくところを真似してみましょう。
難しい曲の場合はフルサイズ弾く必要はありません。部分的にフレーズを取り上げて真似すればいいです。

しっくりこないな、、と思う時もあるでしょうから、その場合は別の動画、別の奏者でやってみましょう。意外にも自分はこっちのスタイルだった、この奏者の、この表現が好きだった、という発見があるかもしれません。軽いノリで色々試してみていいです。※必ず憧れの奏者にして下さい。


「自分ばかり」(内向き)を見ていると上達しない事がストレスになってきますが、見る対象を「別に」(外向き)設定してみると、新しい情報が脳に入ってきます。新しい流れが起きてきます。
憧れの奏者の音色ですから、何度聞いていても興味は尽きないはずです。
脳も気持ちも「楽しい」はずです。

「ミラー効果」という心理学の言葉もありますが(興味がある方は検索してみて下さい)、それはさておいても、人は五感の中で「視覚」の情報量が圧倒的に多いと言われています。8割!は視覚という研究もあります。

ぜひ、この「視覚」を使いましょう。その瞬間に『膨大な情報』が目から入ってきているのです。伝統芸能の稽古で言われますが「技は(見て)盗め」とは言い得たものなのです。

憧れの奏者の姿を「真似してみる」。
それだけです。簡単ですよね。
何度でも、見ながら、弾いて下さい。

頭で考えていると疲れますから、それはやめましょう。
上手くなってやろう!なんて欲をかいたらいけません。それが「素直な身体の動きの邪魔」になります。無垢な気持ちで、奏者の音でも、曲の素晴らしさでも、二胡の叙情感でもいいですから、自分の「好き!」の感覚を泳ぐように、(微笑みながら)真似して下さい。


楽しんで真似しているのですから、忍耐力は不要ですよね。飽きずに何度でもできるはずです。
スランプ沼の憂うつ感からは、気づいたら出ている?かもしれませんよ。

小さくても、微差でも、どこかに変化が見えてきたらいいですね。
以下の記事も興味があれば参考にして下さいね。


皆さんの二胡ライフが、もっと楽しくなりますように♪