二胡のグループレッスンと個人レッスン。
両方を受講した経験があり、更には、両方の指導を経験してきた私自身のコメントです。
教室選びで迷われている方、今のレッスンの状況に疑問を抱いてらっしゃる方に、何かしらのアドバイスになれば幸いに思います。(※私の教室の宣伝目的は一切ありません)
二胡を習いたくて教室を探している時、意外なことに大人数のグループレッスンが多いので、「個人レッスンじゃなくて大丈夫なの?」「二胡教室ってそういうものなの?」と不思議に思う方もいらっしゃると思います。特に楽器経験者はそう思うかもしれませんね。二胡は中国の民族楽器ですから「習得のシステムが違うんだろうな。」ということで納得される方もいらっしゃるでしょうか。
私はそうでした。
東京の二胡教室のグループレッスンは、カルチャースクールなど一般的な教室で5~7名前後、大手の教室では10名以上のところがあります。様々な楽器を個人レッスンで受けてきた私としては、弦楽器なのにグループレッスン?!(嘘でしょ?)と思いましたし、全員でのお稽古は最初はちょっとした(かなり?)衝撃を受けました。
先に結論を申しますと、個人かグループか、どちらが適切という事はありません。
レッスン料や時間の都合など、さまざまな要素で選択されていると思いますから、一長一短。自分のプライオリティをどこに置くのかだと思います。
手に入れられるモノは、グループと個人で大きく異なります。何を得たいのか「自身の目的」を第一に判断されたらいいかと思いますし、それに見合う価値がなければ、考え直したらいいかと思います。

二胡教室/個人レッスンのメリット
◎自分の演奏と正しく向き合える
個人レッスンの第一の利点は、「自分の演奏」を、専門家(指導者)に、1対1で指南してもらえることです。
何ができて、何が(まだ)できていないのか。
上達のために、何をどうするべきか。
どうしたら克服できるのか。
今の状態を把握し、必要なメニューを取り入れて、「自分の演奏」を調整・改善していけるのが個人レッスンです。
大人数のグループレッスンでは、自分が正しく弾けているのか、それすら分かりづらかったりします。誤った方向に癖がつくかもしれませんが、それをきちんと修正してもらえるほどの行き渡った指導は、グループでは期待できないかもしれません。
◎他人のペースに合わせなくていい・比較されることもない
無理に他人と合わせたり、比較されるストレスがない事も、個人レッスンの大きな利点です。ペースは自分自身の状況で進みますから、指導者に急かされることはありません。むしろ出来るまで先に進まないです。どの状態でOKを出すかは指導者によりますが、粘る指導者はひとつのことにも時間をかけるでしょう。
「たくさんの曲をどんどんやりたい」「ゆっくりじっくりがいい」「様々なジャンルにチャレンジしてみたい」「美しい音になる訓練をしてほしい」など、リクエストもできるでしょう。とりあげる題材についても、(指導者によりますが)受講生のリクエストを最優先してくれることが多いと思います。
◎個人レッスンでは指導者はコーチのようなもの
個人レッスンにおいての指導者は、スポーツでいうところのコーチのようなものです。トレーナーと言ってもいいかもしれませんね。手取り足取りです。
教室によると思いますが、指導者との距離が近く、歳月を重ねていきながら師弟関係が育まれていきます。
◎技術の習得は圧倒的に個人レッスン
グループレッスンで習得できる技術とは、質も、量も、レベルも、異なります。踏み込んだ指導、欲しかった技術にアプローチできるはずです。
例えば、グループ全員に分かるようにボーイングの指導をするのと、眼の前の個人に指導をつけるのとでは全く異なります。方法も、視点も、深さも、異なります。
グループでは残念なことに時間がありません。
個々の身体の状態や、音楽経験、理解のスピードが異なる中で、それぞれに対応した指導をしていたら、それだけでレッスンが終わってしまいます。先へ進めません。また、レッスンの目的も個々で異なります。余暇を潤す趣味の方もいらっしゃれば、強い意欲で望んでいる方もいらして、どちらかに重きを置けば、どちらかが負担になってしまいます。
ですから、全員に理解できる表現で、誰でも無理なく身体を動かせる、ある意味では「簡単な(難易度の低い)方法」「指導しやすい方法」を選択することになります。
グループで学ばれた方が個人レッスンに変わると、これまでとは違う視点の指導を受けたり、(同じ動作であっても)異なる方法や別の表現で指導を受けることがあるかもしれません。一歩踏み込むがために、いったん身体を分解して、一から作り直す必要があったりするからです。
◎音程とピッチを鍛えることができる
個人レッスンでは音の細部まで分かりますから、左手のフォームだけでなく、指の癖や、指と弦の接触状態など、何故そこでピッチが外れるのかを丁寧に指導して下さると思います。
グループレッスンでは、「自分の音が指導者に聞こえているの?」と疑問に思いますよね。
講師の耳によりますが、私の場合は受講生の音を全て耳で拾えるわけではありませんでした。どの方の音というのは音色で分かりますが、一斉に音を出しているわけですから聞こえない部分が確実にあります。
身体の使い方を見れば、全ての音が拾えなくても(受講生の音の)状況が分かりますので、そこから判断しているところもあります。
グループレッスンであっても、お一人ずつ弾いていただいて、それぞれの音を確かめる時間があると思いますけれど、そこでピッチや音程の指導を入れたい場合、基本に戻らないといけない事がほとんどで、全員の調整をすることは時間的にできません。ゆっくりペースな方や、力が抜けない方には特に時間をとられてしまいます。そのため、気になったことは各々にポイントでお伝えしながら、全員に当てはまることを取り上げて、大きく指導していきます。
これが個人でしたら、とことん指導できます。その日のレッスンの全部をそれに費やしていいというくらい、自由に時間を割り振ることができます。
◎指導者は個人レッスンで踏み込む
~私の経験~
「二胡」という民族楽器はグループレッスンが基本で、どの方も楽しく容易に学べるように、『専門的な技術習得には踏み込まない、比較的楽に身につけられる楽器』なのだと私は思っていました。
西洋楽器でしたらボーイングの習得は容易ではなく、物理の理屈も、弦の摩擦も、運動神経も、感覚も、腕の重さも、重力も、音楽的であるとは何なのかも、全て合わせて、ひとつひとつ習得を要求されるのに、二胡ではそこまでは要求されません。ひじょうに疑問に思いましたが、民族楽器の良さは西洋音楽とは別ですから、「二胡とはそういうもの」「真似る系、盗む系なのだな。人間的。民族楽器らしい。」と思っていました。正直なところ「気楽でいいな」「このままでいいんだ」とも思っていました。
しかし、個人レッスンに移ったら、そうではありませんでした。楽なんてとんでもない。一から叩き直されました。「なんだ、同じじゃないか!」と思いました。そのレベルの指導をして下さる先生かどうかにもよりますけれど、そもそもがグループか個人かで、指導者も踏み込み具合を変えざるおえません。そこが大きく異なる点だと思います。
注意深く、自分の演奏を観察してアドバイスをいただけるのも、グループとは違います。自分ひとりに集中してアドバイスを下さいますし(当然ですけれど)、「あなたの演奏は今はこう。ここを、もっとこうした方がいい。」と、眼の前で解説してくれます(当然ですけれど)。
それはポイントとしては小さなことなのですが、宝物をいただいたような大きな収穫を感じます。高いレッスン料だけれど、十分にそれに見合うものだと充実した気分で帰る道は、なんとも満ちていて、グループでは得られない「音楽を体現する喜び」が身体にあふれたりします。
【指導者の方針やポリシーを確認しましょう】
こういったことは、自分が「何を求めているか」によります。
音楽の崇高さに触れたい方は、そういう指導をされる先生を是非見つけて下さい。
そうではなく、自分のペースに合わせてくれることが第一条件で、専門的なことよりも、ゆったり楽しい時間を過ごしたいという方は、そういう指導者を見つけて下さい。
どちらも対応可能な指導者もいらっしゃいますし、ポリシーとして徹底した指導をされる先生もいらっしゃいます。HPを見ればすぐに判断できるでしょう。
◎一人で人前で弾くことが普通になる
個人レッスンは、指導者の前で、ひとりで弾きます。
グループの音にまぎれて自分の音が分からないだろう(間違えても分からないだろう。しめしめ。)という安堵感はありませんから、毎回自分の音にさらされることになります。「ああ、恥ずかしい」「今日はだめだった~」と思うかもしれません。
その内に、指導者とマンツーマンという緊張感がほどけて、一人で弾くことが「当たり前」になっていきます。人前で独奏することが(以前よりもずっと)普通になっていることに気付くでしょう。
◎結果、自分の音に目覚めることで二胡が上達します
個人レッスンは、自分と向き合わざる負えない時間です。
何をどうしたら心地よく美しい音楽になるのかについて、自分で考え続け、感性が触れ続けることになります。そうやって自分の音をしっかりと自覚していくことが上達を導きますし、音楽に正面から向き合うことが楽しくなります。
ゆったりのんびりペースの個人レッスンも、厳しめのトレーニングレッスンも、どの方にとっても個人レッスンは(グループに比べると)上達への近道だと思います。

二胡教室/個人レッスンのデメリット
▼個人はレッスン料が高い
グループレッスンとの単純比較で、もっともネガティブを感じる部分は金額でしょう。個人レッスンはグループレッスンより高い設定です。
「毎月そこまで捻出できないから私はグループレッスンにします」こんな感覚が一般的だと思います。そのポイントは大切だと思います。まずは生活ありき。それがあるからお稽古に通えます。
楽器の習得は、特に最初の1~2年だと思いますが、しっかり通い続けないと弾けるようになりません。自分にとって「毎月のレッスンが適正価格であること」は、脱落しないための大きなポイントです。
レッスン料は対価ですので、個人レッスンの金額が高いことは、本来はデメリットではありません。それだけのものを手に入れられるという事と、単純に講師の人件費です。
将来自分も指導者になりたいと考えている方、二胡で演奏活動したいと考えている方にとっては、投資です。
「とはいえ、それにしても高い」と思われているなら、その時点で、その指導者のレッスンに不満があるのだと思います。その不満を野放しにしても良いことはないでしょう。
だって、不満なのですから。
既に心が叫んでいるということです。
▼指導者のパーソナリティや、音楽への姿勢(厳しさ・緩さ)、指導スタイルが合わない場合がある
こういう事は、あります。
指導者も様々、音楽への信念はより一層様々です。
パーソナリティの話をすれば、楽器の指導者は、単に専門職というだけで、同じ社会を共にする一個人にすぎません。人間性の優れた人格者という方程式は全然ありませんし、大切なことですが人には相性があります。
厳しい指導をされる方もいらっしゃいます。音へのこだわりが一般的な指導者より厳格なわけです。音楽を敬愛されている素晴らしい指導者だと思いますが、受講生がそれを求めていなければ負担になるでしょう。
反対に、物足りなさを感じたり、自分が求めている個人レッスン像ではない場合もあります。
指導スタイルは様々です。その領域は、指導者の自己表現、自由です。
その場を好きな人が集うのですし、それは素敵なことです。ここはあがいても仕方ありません。
もし不満で疲弊しているのなら、そりの合わない「他人」の場に、どうして自分は居続けるのか?を見つめる機会だと思って下さい。どうしてでしょうね?何に執着しているのでしょうか?そこをクリアにして下さいね。楽になりますよ。
この問題はグループレッスンでも同じですが、個人は距離が近いですから、わざわざ飛び込む必要はない(居続けることはない)というアドバイスです。他にも指導者はいます。
解決策はあります。
指導者と面識のない場合は「体験レッスン」を受けて下さい。1回でも分かるはずです。皆さん人生経験のある大人ですから、自分との相性は、誰よりも熟知しているはずでしょう。
こだわるなら、とことん自分に合う指導者を探しましょう。検索しまくりましょう。知り合いにリサーチしましょう。
それはとても大切なことです。
なぜなら、音楽の師匠=人生の師匠、になり得るからです。
将来的にその師匠と離れることがあっても、胸の中に、師匠の言葉や、演奏姿、音色は、永遠に残ります。
いつでもバイブルのように開いて、自分を助けて下さるのです。
永遠の導きのような、そんな存在になるかもしれませんから。

二胡教室/グループレッスンのメリット
◎レッスン料が安い(※個人レッスンとの比較)
ある意味では、グループレッスンが選ばれる最大の理由かもしれません。
特にカルチャースクールや大手音楽教室では、1クールまとめての料金設定ですから、1回のレッスンは手頃な価格設定になっています。
カルチャースクールの場合は時間枠が短かったり、次のレッスングループが扉の向こうで待っていて、レッスン後に講師にゆっくり質問ができなかったりするかもしれませんが、きっちり時間通りであることは予定を立てやすいですし、お財布にやさしいレッスンほど嬉しいことはないでしょう。
もちろんですが継続に繋がります。大きいことです。
充実したレッスンも、あたたかく満ち足りたレッスンも、場所を問わず生まれるものです。私も東京でカルチャースクールの講師を10年以上させていただきました。本当に素晴らしいめぐり逢いの時間で、私の人生の宝物です。今でも生徒さんのお顔が浮かびますよ。
どこであっても充実した音楽生活は送れます。皆さんがそうありますように。
◎フレッシュな他人の視点や悩みは、自分の肥やしになる
グループレッスンでは、自分では到底思いつかないであろう突拍子もない!メンバーの質問や、どこから見つけてきたのか?な有意義な情報に遭遇することがあります。バックグラウンドがまるで違う人たちが集うからこその広さです。
多様な視点で、演奏を大きく捉えることができます。
また、メンバーが上手く弾けなくて悩んでいることを、自分の問題として見直す機会を得られます。自分はできていると思っていたことが誤っていたことに気づかされたり、実践的な学びが多いはずです。
◎グループだからこその相乗効果や広がりがある
一人では弾けなかったのに、他のメンバーと一緒に演奏すると、あら不思議。弾けることがあります。
メンバーと同じ悩みを分かち合えて、気持ちが軽くなります。同じ場でレッスンしているからこそ、メンバーのあたたかさが身に染みたり、感動をシェアできます。
また、教室を飛び出して、課外活動にチャレンジする機会に巡りあえたりします。
例えば、介護施設のボランティア演奏に参加してみたい時、一人では行動できないことも、グループのメンバーに声をかけて一緒に始めることができたりします。
人の数だけ、化学反応は生まれますね。出会いの力です。
※メンバーや教室の環境によります。必ずしもそうだとはいえません。
◎同じ道を進んでいく二胡の仲間ができる
私は様々な楽器を習ってきましたが、個人レッスンばかりだった私にとって、グループレッスンは新鮮でした。それまでお稽古は「一人で行って一人で帰ってくるもの」でしたが、帰りにお茶して、おしゃべりして、レッスン仲間と電車で一緒に帰れるなんて、嘘みたいに嬉しいことでした。たまにカラオケボックスに集まってメンバーで練習することも「楽器にこんな楽しみ方があるなんて!」と興奮しました。
これはグループに気の合う方がいるかで変わりますし、教室の雰囲気によりますから、一概には言えませんけれど、私の場合は幸いにも楽しいメンバーに囲まれました。もう20年前になりますから多くの方とは疎遠ですが、今でも本当に大切な友がいます。人生の得難い輝きです。
数年前になりますが、女優の波瑠さん主演の「G線上のあなたと私」というバイオリン教室のドラマがありました。主人公はバイオリンの初心者クラスの受講生。3人のグループレッスンで、元OLで今は無職の主人公と、大学生の男性、パート主婦がメンバーです。年齢も立場もバラバラ、バイオリンを初めたきっかけも様々。最初はよそよそしいのですが、レッスン帰りにお茶したり、カラオケボックスで練習したり、緊張の発表会があったり、だんだんと打ち解けていきます。そこには常に「バイオリン教室」が軸にあり、まさに「あるある!それそれ!」。家庭の事情でレッスンを休むことになった仲間を励ましたり、パーティスペースで小さな発表会をするようになっていく過程で、それぞれが溶けていくようにゆるんでいきます。
大人になって、職場や家庭以外で人と触れ合う場所ができる。
グループレッスンの醍醐味だと思います。
◎合奏の楽しさを味わえる
合奏はグループレッスンならではです。
個人レッスンでも講師と合奏することは可能ですが、同じ受講生が合奏で分かち合う喜びや、苦手を克服し、だんだんと合奏になっていく過程は、ひじょうに楽しいと思います。
※メンバーや教室の環境によります。必ずしもそうだとはいえません。
※個人レッスンの方は、二胡の合奏団に入団するという選択もあります。東京や関西中心になるかもしれませんが、大人数で奏でる二胡の合奏団体や、中国楽器の演奏団体があります。主宰されている指導者のもとに集い、レッスンとは別で団体に所属し、お稽古を重ねます。演奏会などが企画されると思いますから発表の機会があります。お近くの地域でも団員を募集しているところがあるかもしれません。探してみて下さいね。

二胡教室/グループレッスンのデメリット
グループレッスンは全員の時間です。自分の希望でレッスンはまわりません。
喜びはより大きく、デメリットは妥協。あらかじめ分かっていれば、後で困惑することはありません。
▼自分が学びたいことを学べるわけではない
全員同時に同じことを学びますから、自分が習得したい技術や、弾きたい楽曲を学べるわけではありません。教室のカリキュラムで進んでいきます。これを良しとするのがグループレッスンです。
▼未習得でも先に進んでしまう
自分のペースではなく、グループのペースで進んでいきます。次の曲に進むタイミングは、全体をみながら指導者が判断します。
特にゆっくりペースの方についてですが、そこにグループの進行を合わせることは難しいと思います。他のメンバーが自分のために待つことになるからです。
「出来ないところは家で復習してくださいね」ということで、未習得のまま、次の段階へと進んでいくと思います。
グループの平均が採用されると思いますので、そのあたりは大前提と思った方がいいと思います。しかし、先へと進行していく中でも、気にかけてくれる指導者もいると思います。相談してみて下さい。
▼先へ進みたくても待つかもしれない
反対の立場になりますが、楽器経験者やペースが速い人にとっては、他のメンバーが出来るまで待つ場面が多くなるかもしれません。グループレッスンでは進行速度は修正できません。メンバーの足並みが揃うまでは仕方ないものと割り切って、自分で再確認するなど、無駄な時間にならないように努めましょう。
速い方、ゆっくりな方、それぞれのストレスがないように指導者の判断で進めていくと思いますが、グループレッスンでは『大多数のペースに自分が合わせること』が前提となります。
▼自分以外のことで時間のロスがある
例えば遅刻する方がいた場合、講師はその生徒のために再度チューニングの時間をとります。さっきやった内容を再度(急いで)解説することもあるでしょう。
遅刻は個人のペナルティであるのに、グループレッスンでは時間を守った側が合わせることになります。料金を支払う立場としては、こういった時間のロスを煩わしいと思うかもしれません。
一人の質問に、必要以上に時間が取られることがあります。それがいつも同じ人だったり、内容が他のメンバーやレッスンに関係ない場合、その方に対してストレスを感じるかもしれません。
講師の対応次第ですが、複数名のレッスンではあることです。
▼先輩になると該当クラスがなくなってくる
グループレッスンを何年か経験して先輩になってくると、メンバーの出入りの影響で、二胡歴に差のある後輩が同じグループに入ってくるようになります。
お局様とはいいませんが、同期の受講生がだんだんと姿を消していき、後輩の進行レベルに、自分が合わせてあげるというレッスンになる可能性があります。同じ内容のレッスンを繰り返し受けることになるかもしれません。自分自身も先へ進みたいのに該当クラスがないという、グループレッスン特有の問題です。
※その際は、個人へ移行するなど、指導者と相談してみて下さいね。グループは人数ありきですので、指導者にとっても悩ましい問題だと思います。
▼自分が不利になることもある
例えばですけれど、レッスン場所の広さによっては、自分の位置から先生がよく見えないかもしれません。パイプ椅子が並んでいて、好きな場所を選んで良いのだと思いますが、なんとなく定位置が決まってくることもあり、一番良く見える正面を位置取りするのが難しかったりします。グループならではの微妙なストレスです。
▼メンバーからの指摘がストレスになる
指導者ではないのに、技術について指摘してくるメンバーがいることもあります。例えば「音が外れている」「リズムが合ってない」等のことですが、いろいろな場面があると思います。当事者にとってはしんどいことです。
このような悩みは指導者に相談しましょう。
そこでの指導者の対応で、教室を続けたいと思うか、吹っ切れるか、とにかく何かはつかめると思います。

▼発表会に参加しない人のデメリット
※発表会のある教室に限ります。
発表会がある教室では、レッスンしているグループ単位での参加になると思います。
グループレッスンを選ぶ人で、「発表会に参加したくない人」は、二胡教室を選ぶ際に「発表会があるかどうか」を必ず確認しましょう。ここは大切なポイントです。
※補足
人前で演奏すること、舞台を経験することには、それだけの価値があります。色々な意味で学びは大きいです。しかし、個人で感覚は異なります。人前を避けたい方、精神的な負担が大きい方はいらっしゃいます。二胡学習の目的を、そこに求めていない方もいらっしゃいます。それぞれですね。
「グループの中で、自分だけ発表会に参加しない」という選択肢は、教室には可能だと言われるかもしれません。しかし現実的には参加しない方にはデメリットがあります。そこは念頭に置きましょう。
最も影響を受けるのはレッスン内容です。
発表会のためのレッスンというのがあります。教室によって異なると思いますが、数ヶ月前から準備に入るでしょう。レッスンは発表会の曲に集中して、おそらく終わるまで先に進まないと思います。決まった曲を集中的に何度も学ぶ機会になると思えば割り切れますが、そういった期間が毎年やってきます。本来ならば先へ進める時間ですから、進行としては停滞します。(発表会に参加しない)自分がそれでいいかどうかです。
並び順の決定や、衣装の決め事、当日の説明、お手伝いについて、入場、お辞儀の仕方、伴奏との合わせリハーサルなど、発表会の細かい説明も、レッスン中に入ってくると思います。参加しない方にとっては見学になる時間もあるでしょう。こういった事をデメリットに感じる人もいるでしょう。
リハーサルを1回分のレッスンとする教室もあると思います。その場合、レッスン料はどのようになるのか気になりますよね。※教室に入会してしまうと聞きづらくなることもありますから、最初に問い合わせするといいかもしれません。
また、発表会一色で盛り上がるメンバーの中には、居づらさを感じるかもしれません。人によると思いますが、そのあたりを割り切れる方は大丈夫でしょう。
▼発表会のグループレッスンあるある諸問題
分かりやすいのは、発表会の衣装です。
グループの場合、自分は乗り気でないのに「全員お揃いの衣装」を反強制される事があるかもしれません。グループレッスンあるある、発表会あるある、チャイナ服あるある、です。
発言力のあるメンバーに押されて意見を言えない方もいるでしょう。衣装の買付や集金など、丸投げで人任せなメンバーに悶々として、不満が爆発することもあるでしょう。
グループレッスンならではの人間模様です。
「いい大人の習い事なのに、こんなつもりはなかった」「シンプルに二胡を習得するだけの教室がいい」と教室をかえる方は普通にいらっしゃると思います。
それでいいのではないでしょうか。
私はそう思います。
ストレスは本来は「ない」はずですよね?
音楽の喜びへと舵をきる。
音楽は素晴らしいものなのですから。
自分の為のレッスンです。
「何を求めて二胡を習い始めたのか」に戻って、少し離れたところから「自分の好き」を見つめてみましょう。

音楽の楽しさはどちらも同じ
これは同じです。
グループでも個人でも、音楽の楽しさは同じです。
その方がどう感じるかであり、差が生じるものではありません。
傾向としては、個人レッスンは「音楽そのものと向き合えるという純粋な喜び」、グループレッスンでは「仲間がいるからこそ味わえる楽しさ」があるかと思います。
指導者との巡りあい
個人レッスンでも、グループレッスンでも、尊敬できる指導者を見つけられれば、指導者の存在そのものが人生の財産になります。グループのメンバーに気の合う人がいなくても(そういう感じのレッスンではなくとも)教室に通うことに意味を見いだせるようになるでしょう。どうぞ皆さんがよき指導者に巡り会えますように。

グループから個人レッスンへ移行するタイミング
グループレッスンを受講していると、個人レッスンに移行したくなることがあります。
理由はシンプルです。
『もっと上手くなりたい』と思うからです。
ただそれだけの理由ですが、とても重要です。
おそらくですが、このまま同じ状況にいても「自分の演奏はさほど変わらないのでは?」と感じた時に、それを思うからです。
悩むということは、既に決めているということ
自分が感じていることを紐解いていきましょうね。何故そう思うのか、きちんとした理由があると思います。
グループレッスンを続けるか、個人レッスンへと移行するか、あるいは教室を変えるか、分かれ道に直面されている方がいらしたら
、、、
私は背中を押します。
悩むということは、既に決めているということです。
やってみて駄目なら戻ればいいのですよ。人生いろいろなチャレンジがあってもいいですよね。深刻になることはありません。
自分の気持を確認することの方が重要です。
教室のためじゃない。自分の人生ですから。
自分主体の受講で、求めるものが手に入るレッスンを
個人レッスンとグループレッスン、箇条書きで記してみました。
大切なのは、その時間を買っているのは「自分」であるということです。音楽教室は主宰者主体のように感じるところもありますが、そうではないですね。学びを享受する場ではありますが、対価を支払う関係はビジネスですから、受講生のみなさんは教室にとっては顧客なんです。
大切なお金です。それぞれに思うところがあるはずです。
それだけの価値があると思うレッスンを、自分主体で受講されて下さいね。
そう思えば、相応のものを、手に入れられると思います。
日々の安らぎだったり、
未来を共に歩む輝きとなったり。
音楽とは本来そういう力のあるものですから。
参考になれば幸いです。
以下の記事も興味があったらご覧下さい。
どの方も、みなさん楽しい二胡ライフになりますように♪